ここでは、MetaTraader4を使ってインジケーターのリペイントについて詳しく解説します。また、リペイントするインジケーターかどうかをストラテジーテスターを使ってチェックする方法も紹介します。
インジケーターのリペイントとは、終値が確定した過去の部分で、インジケーターによるラインや矢印サインなどの表示が変わることをいいます。よく後出しジャンケンに例えられたりします。
インジケーターがリペイントする原因
インジケーターがリペイントする主な原因として、次の2つが挙げられます。
- 未来のローソク足の値を参照する。
- 過去の表示を変更する。
※ここでの未来のローソク足とは、過去のローソク足から見て、それよりも新しい(チャート上で右側の)ローソク足のことです。
インジケーターがリペイントするタイミング
通常のインジケーターの場合、最初の1回目の処理でチャート全体の表示をしておいて、その後は値動き毎に現在変動中のローソク足での表示を計算します。
未来のローソク足の値を参照するインジケーターの場合
未来のローソク足の値を参照するインジケーターの場合、最初の1回目の処理でチャート全体に未来の値を盛り込んだ表示をしておいて、その後は値動き毎に現在変動中のローソク足で未来の値が欠乏した表示をします。
未来の値が欠乏した表示の期間は、インジケーターの再表示でリペイントされます。
過去の表示を変更するインジケーターの場合
過去の表示を変更するインジケーターの場合、何本か過去のローソク足の部分で、確定したはずの矢印サインが消えたり、逆に存在していなかった矢印サインが突如出現したりします。
それはローソク足が更新していく最中に起こります。
インジケーターがリペイントするかどうかをチェックする方法
インジケーターのリペイントを確認するには、ストラテジーテスターを利用する方法が効率的です。
ストラテジーテスターでリペイントを確認する手順
テスターウィンドウを開いて、次の画像のようにウィンドウ内左上のエキスパートアドバイザ/インディケータ切り替えボックスでインディケータを選択します。
ビジュアルモードの速度レバーで、Max32より小さい値にしてスタートさせます。ビジュアルモードのチャートが表示され、速度レバーの設定に応じた速度でローソク足更新などが進行していきます。そのチャートではインジケーターでの描画の様子が確認できますので、「〇本前のローソク足に未確定のサインが描画され始める」とか、「〇本前のローソク足では確定する」などを確認します。
過去の表示を変更するインジケーターの場合、この段階でリペイントを確認することができます。
上記テスター終了後はビジュアルモードでのチャート右クリック→表示中のインディケータでインジケーター名をダブルクリックまたは、インジケーター名を選択後編集ボタンをクリックでインジケーターの設定ウィンドウを表示させます。
インジケーターの設定ウィンドウのOKボタンをクリックして、表示中のインディケータのウィンドウの閉じるボタンをクリックした際に、インジケーターの表示が変化するかどうかを注視します。
未来のローソク足の値を参照するインジケーターの場合、この手順でリペイントを確認することができます。
最後に、チャート上に表示されているインジケーターを一旦削除して、再度そのチャートに表示させた場合に同じ表示状態になるかどうかをチェックします。
あとがき
リペイントするインジケーターの中で、過去部分の表示も変更つつ現在の状態を表すものもあるため、一概にリペイントが良い悪いを決めつけることはできません。使う側がそのインジケーターをどれだけ深く理解できているかによるかと思います。
トレードに使用するインジケーター選びの際は、是非リペイントの有無を確認するようにしてみてください。